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はじめに

はじめまして!母学アカデミー学長の河村京子です。
貴女がこの本を手に取ってくださったご縁に感謝いたします。

いきなりですが、「学問のすすめ」をご存じですか?
「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造ラズト云ヘリ」で始まる文章は
誰でも聞いたことがあると思います。福沢諭吉先生の言葉です。ではその続きはご存じですか?昔の言葉遣いは難しいので、訳した文章をご紹介しますね。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている。
人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、
賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。
その違いは何だろう?それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は
学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。
人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれど
ただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、
無学なる者は貧人となり下人となるのだ。」

子育ても全く同じです。人は生まれた時にはみんな天才なのだけれど、親が子育てを学んでいれば賢い人になり、親が子育てを学ばずにいい加減な子育てをすると愚かな人になるのです。まさしく親の学びが「母学」であり、母学を学んで子育てをすれば、ラクに楽しく子育てをすることができます。そして子どもは自ら賢い子に育って行くのです。

反論があるかもしれません。
「昔の人は子育てを学んだりしなくても、子どもは自然に成長してきた。今更どうして子育てをわざわざ学ばなくてはならないの?」
そう思う人もあるでしょう。昔は家におじいちゃん、おばあちゃんがいて、近所には雷おじさんや世話焼きおばさんがいて、地域全体で子育てを教えてもらっていたのです。でも現代では、核家族化が進み、近所付き合いもなく孤独な子育てをしているお母さんがとても多いのです。自分で学ばなくては教えてくれる人はいないのです。

それでは賢い子とそうでない子の違いは何でしょうか?それは「夢を叶える」力があるかどうかです。
母親なら誰でも我が子に「夢を叶える子」になって欲しいと思っています。しかし、現実には「夢を持てない子」「自分よがりな夢」しか持てない子が多いのです。
小さい時には「ウルトラマンになりたい!」「お花屋さんになりたい!」と
キラキラした瞳で夢を語っていた子どもも、成長するにつれて
「夢」という言葉が少なくなってしまいます。
 そして、我が子の口から
「夢なんてない」
「将来やりたいことなんてない」
という言葉がもし出来てきたら親にとってこんなにショックなことはありません。

たとえ夢があったとしても
「宝くじで5億円当てて一生ラクに暮らしたい」
「ラクに稼いで贅沢に暮らしたい」
という夢だったら?

「夢を持つ」「夢を叶える」ためには、その基礎になる土台が必要です。土台なくして夢は成り立ちません。

親は子どもの夢を作ってやることはできません。でも、夢の根底にある土台を作ってあげることはできるのです。どんな土台を持っているかでその子の夢が変わります。
「自己中心」な土台を持った子からは「自己中心的な夢」しか出て来ません。「ラクな方に流される」土台を持った子からは「ラクになる夢」しか出て来ません。
「高い志」の土台を持った子からは「社会の未来を変える夢」「自分だけでなくみんなが幸せになる夢」が沸きあがってくるでしょう。

平成元年、私は結婚式を挙げました。「お嫁さんになる」という幼いころからの夢が叶って幸せいっぱいでした。でもその時には、「お母さんになる」という心構えも準備も出来てはいませんでした。結婚したら自然に子どもは授かるもの、そして子育てはお母さんになれば自然にできるものだと軽く考えていたのです。

しかし、その頃から世の中では、未成年の事件や「17歳の殺人」が相次ぐようになり、私は怖くなってしまいました。
「もし、まだ見ぬ我が子がそんな事件を起こしてしまったらどうしよう・・・」
と思うと子どもを持つことをためらってしまったのです。

良く考えてみると私は、子育てのことを習ったことがありませんでした。中学高校大学でも子育てのことを教えてもらったことはなく、それどころか赤ちゃんを抱いた経験すらなかったのです!結婚して「子育て」を自分のことして考えるようになって初めてそのことに気付いたのです。
何ごともナットクしないと始められない性格の私は、まずは「子育ての勉強」をすることにしました。まだインターネットもない時代ですから、勉強は本に頼るしかありませんでした。毎週近所の図書館に通い、10冊ずつ育児書や教育書を借りて読み漁りました。
それから5年間、毎週10冊ずつ子育ての知識を頭に入れていきました。そうすると子育てに対して恐怖心で凍りついていた心がいつの間にか溶け出し、生まれてくる我が子のイメージがハッキリ出来るようになっていました。そんな時にやっと我が子を授かることが出来たのです。

その時に、
「今まで蓄えた子育ての知識で子育てをしてみよう!」
と決心して我が子に会える日を心待ちにして出産を迎えました。

それから18年、私は長男・次男・娘の3人の子どもを授かり、子育てをしてきました。よく、「子育ては育児書通りにはいかない」と言われますが、実践してきた私の実感は「育児書通りに育てれば子どもは育児書どおりに育つ。でも、育児書通りには育てられない!」です(笑)
育児書通りに育てた部分は見事に結果が出ています。でも、育児書通りに出来なかった部分はこれまた見事に結果が出ませんでした(笑)
それもこれも含めて愛しい我が子たちです。

お母さんだって人間ですから、完璧に育児書通りに育てることは難しいです。ロボットではないのですから、体調が悪い時も機嫌が悪い時もあります。だからと言って、育児書なんて無視して自分勝手な子育てをしていいということにはなりません。

子育ての終わりが近づいた私にできることは「次世代の子育てをしているお母さんの教科書を作ること」。私が学んだ約2000冊の育児書教育書の知識と、3人の子育てをしてきた成功と失敗の経験を生かして、いますぐに役立つ子育ての教科書を作りたいのです。まずはその序章としてこの本を書きました。
私は子育てのノウハウではなく、もっと大事な「子育ての軸」となる部分をお伝えしたいのです。「子育ての軸」がしっかりすると、ブレない子育てができます。そうすると子育てがラクになるのです!
お姑さんやママ友から
「あなたの子育て間違っているのでは?」
と言われたときに、凹まずに笑顔で対応することが出来るようになります。
子どもが失敗をしても、周りの子と違うように思えても
「ウチの子は大丈夫!」
と自信を持って思えるようになります。
そして子育てのYES・NOを自分で決められるようになります!そうすると子育てはラクに楽しくなるのです。

我が子たちはそれぞれに夢を持ち、夢を叶えるためにまい進しています。そばで見ていると本当に楽しそうです。長男は勉強に興味を持ち、結果として東大に入学しました。でも、これは彼の目標でも夢でもありません。その先にある人生の夢を叶えるための途中経過だそうです。次男にも娘にも夢があります。貴女のお子さんの夢は何ですか?スポーツかもしれませんし、芸術かもしれません。その夢を叶える力を子どもにインストールしてあげましょう。

この本を読み終わった時、「夢を叶える未来の我が子」がイメージできることを期待して、ページをめくってくださいね。