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母学アカデミー学長 河村京子が伝授
”成功する子ども”を育てる究極メソッド

母学コラム

母学コラム詳細

【兄弟ケンカをするのは悪いことじゃないって分かっているけどイライラする!どうしたらいい?】

前回の記事で、兄弟ケンカを少なくする2つのポイントについてお話しました。

今回は、その前提でもある、

「そもそも、ケンカをするのは良くないこと?」

という視点でお話したいと思います。

「ケンカは社会勉強だから良い事。どんどんさせましょう」

などと育児書には書いてあります。
確かにその通りです。

それでも、毎日の生活の中で、(親からしてみれば)実にくだらないことでギャーギャー騒いでいるわが子たちを目の当たりにすると、どうしてもイライラしてしまうものです。

「怒ってはいけない」と感情を抑えているだけではいつか爆発してしまうので、これについてもう少し深く掘り下げてみたいと思います。

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●「ケンカするほど仲がいい」って本当?●

わが子たちが幼稚園・小学生の頃は、兄弟ケンカが絶えませんでした。

毎日!どころか、毎時間ケンカ(笑)

そこでよく聞かれるのが、

「京子センセイは、ケンカを止めなかったのですか?」

ということ。

・・・はい、止めたことはありません。

それはそれはうるさいし、物は壊れるし、壁に穴が開いたこともあります(笑)

他にもよく聞かれるのが、

「大人になっても仲が悪いままになるのでは、と思わなかったのですか?」

ということ。

これも、思ったことはありません。

なぜなら・・・

私には3歳上の兄と2歳下の弟がいます。
つまり、兄と弟は5歳差です。

今でもはっきり覚えていますが、ま~、それはそれは、毎日ケンカでした。

朝も晩も、家の中でも外でも!

だから、「兄弟ケンカに慣れている」というのはあります。

わが子たちが兄弟ケンカをしていても、あまり気にならなかったのです。

そして、私の兄と弟は今は特に仲が悪いわけではなく、仲良くやっています。

だから、

「子どもの時にどんなにケンカをしていても、将来は仲良くやっていける」

ということを経験的に知っています。

だから不安にならなかったのでしょう。

そして、わが子たちも大人になった今、仲良くやっています。

今では1年に1度、お正月くらいしか会いませんが、その時にはボードゲームを仲良くやって盛り上がっています。

そして、最近弟が兄に、プログラミングのことでいろいろ相談に乗ってもらっているらしい。(妹談)

そんな話を聞くと、

「ケンカするほど仲が良い」

という言葉は、夫婦だけではなく兄弟でも言えるのかな~と思います。

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●そもそも、ケンカをするのは良くないこと?●

そんなふうに考えると、「そもそも兄弟ケンカって、したらダメなの?」という視点を持つことができます。

私は、きょうだいがいることの最大のメリットは、「ケンカができること」だと思っています。

どうしてかというと、どんなに仲良しのお友達とでも、きょうだいとするのと同じようなケンカをすることはなかなかできないからです。

そしてそれは社会の縮図であり、コミュニケーションの仕方を学ぶ良い機会なのです。

例えば、お兄ちゃんが学校の宿題をしている時。

弟はお兄ちゃんに対する憧れの気持ちやライバル心がありますから、

「お兄ちゃんと同じのやりたい!」と言ったり、隙を見てプリントに落書きしたりします。

すると怒ったお兄ちゃんが泣いたり、弟を叩いたり、何でもないただの宿題が大騒ぎになってしまいます。

わが家も、次男が長男の教科書を破ったり落書きしたり、それはそれは大変でした。

お兄ちゃんやお母さんからすれば、「もう、ジャマしないでよー!」と、イライラしてしまうような場面です。

そんなとき、ちょっと視点を変えてみてください。

お兄ちゃんにしてみたら、そりゃあ一人で集中して宿題ができた方がラクです。

だけどジャマが入る。
弟が話しかけてきたり走り回ったりして、気が散る。

それをどうするか?
いかに集中するか?

と工夫することは、これから社会に出て生きていくための、とても役立つ良い練習になるのです。

社会に出て、例えば仕事をするとき、自分の仕事だけに集中できる環境というのはあまりないと思います。

・電話がかかってくる
・上司が話しかけてくる

など、集中が途切れることは日常的にあります。

その練習だと捉えれば、

・忍耐力を身につける
・コミュニケーションの仕方を学べる

絶好のチャンスといえます。

私がしていたのは、

・弟にも同じノートを用意する
・宿題プリントをコピーしてあげる

など。

一時的には効果もありますが、子どもだましというか、すぐにバレてしまってケンカが再燃したりもするのですが(笑)

弟を引き離したり、やめさせたりするのではなく、上手に間に入り、コミュニケーションを練習するための交通整理をしてあげましょう。

そして、

お兄ちゃんには
「よく頑張ったね。あんなにジャマされながらもこれだけできたなんて素晴らしいよ」

弟には
「お兄ちゃんと同じ勉強ができたね」

とフォローしてあげられたらベストです!
(あくまで理想論なので、なかなか理想通りにはいかないのが現実ではありますが。笑)

Fed up mother listening to her young children fight at home in the living room

●マイナスの感情は悪いこと?人間が成長する瞬間とは●

もうひとつ、別のシチュエーションを考えてみましょう。

例えば、姉妹でおもちゃを取り合うような場面。

・お姉ちゃんがおもちゃを貸してくれない!
・妹には貸したくない!

平行線の結果、妹は必死になって、お姉ちゃんがいないスキにそのおもちゃを隠す、なんて事態を起こしたりもします。

これも、ちょっと視点を変えてみてください。

社会に出ていくと、いろいろな大人がいます。

いい人もいれば、意地悪な人や変な人もいます。

その中でうまく立ち回らなければなりません。

今はそのための練習をしていると思ってみましょう。

親は自分の理想として、

きょうだいはいつも仲良くして欲しい

という想いがあります。
それは当然の心理です。

「かーしーて」
「いーいーよ」

なんて微笑ましいやりとりを見たい、というのが理想かもしれません。

けれど現実はそううまくはいかないもの。

・おもちゃを貸す貸さないでモメて泣いてしまう
・取っ組み合いのケンカをする

そんなトラブルが起こると、親は

・なんでおもちゃを貸せないの?
・なんでこんなことでケンカになるの?

など、怒りの感情がわいて、不快な気持ちになってしまいます。

そんなマイナスの感情は悪いことのように感じてしまうと思うのですが、

人間が成長するのは、

・マイナスをゼロに戻す
・さらにそこからプラスにする

というときなのです。

そんなときにこそ、大きく成長できるのです。

・いつも満たされている
・きょうだいがいつも仲良し
・お姉ちゃんはいつも気持ちよくおもちゃを貸してくれる
・壊しても「いいよー」と言って怒らない

一見それは、美しくて憧れの姿そのものですが、そんなふうに、いわゆる「幸せな生活」をしていると、成長ってあんまりないのです。

妹は、お姉ちゃんが貸してくれないから、どうやったらそのおもちゃで遊べるかをものすごく考えます。

考えた結果、お姉ちゃんがいないときにそーっとそのおもちゃを隠したりするのです。

そのこと自体は良くないことかもしれないけれど、そんなふうに「考えた」ということは頭を使った証拠なので、良いこととも捉えられるのです。

親が、

・ケンカはいけないこと
・おもちゃを貸さないのは意地悪
・おもちゃを隠すのは悪いこと

とマイナスに思っていると、どうしてもイライラして腹が立ち、怒りたくなってしまいます。

「これは将来のための勉強なのだ」と思えれば、ケンカを応援すらできる気持ちになれるかもしれません。

そして大切なのが、

・子ども同士で解決させる
・親が裁かない

ということ。

「お姉ちゃんなのだから貸してあげなさい!」
「妹のあなたが壊したのだから謝りなさい!」

などと命令して収めるのではなく、

「壊れちゃったね、どうしたらいいかな?」

と声をかけ、2人で解決方法を見つけられるよう、導いてあげてほしいと思います。

それが将来的に、仕事や家庭でうまくいかないとき、「どうしたら解決できるだろうか?」という問題解決能力に繋がるのです。

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●親の気持ちの整え方~上の子は大きな喪失感を抱えている~●

上の子が下の子に意地悪しているのを見ると、親としては下の子が可哀想に思えるかもしれません。

けれど、実は上の子の方が寂しさを抱えているのです。

なぜかというと、上の子は、下の子が生まれるまでは、お母さんを独占できていたからです。

ところが下の子が生まれた瞬間に、お母さんの愛情が半分下の子にいってしまって、喪失感や寂しさを抱えています。

下の子は、生まれたときから上にお兄ちゃんお姉ちゃんがいるので、お母さんの愛情が半分だったとしても、その半分が下の子にとっては100%なので、喪失感は抱えていないのです。

そういう意味で、上の子にとっては「お母さんを妹に取られた」という気持ちが強い

なので兄弟ケンカについては、

「上の子が寂しさを抱えているんだな」ということを意識しながら見守ってあげてほしいなと思います。

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