【わかっちゃいるけどできない!のは何故?〜子育てとスポーツの共通点〜】
育児書や教育に関するメルマガをたくさん読んでいるけれど、「なかなか実践できない!」と思い悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
たとえば、「子どもは褒めて育てましょう」とよく言われます。
そりゃあ、怒るよりは褒めて育てた方がいい。
子どもに「早く、早く!」とは言わない方がいい。
「わ〜上手にできたね!」と励ましながら声をかけた方がいい。
それもわかっている。
だけど、頭ではわかっていても実際には、カーッとなってしまったら怒ってしまうし、待ち切れなくて「早くしなさい!」と急かしてしまう。
子育ての多くのことは、そんなふうに「頭ではわかっているけれどなかなか実践できない」ということがほとんどなのではないかな、と思います。
それは何故でしょうか?
どのようにしたら、できるようになるのでしょうか?
今回は“子育てとスポーツの共通点”というテーマで、できるようになるための方法についてお話します。
●ノウハウではなく、心(マインドとイメージ)が大事●
たとえば、幼稚園に通うお子さんが、朝のお着替えをグズグズしてなかなかできないとき。
親である自分が子どもを見たときに、
「あぁ今日もこの子は着替えができない」
「なんでできないの?」
と思っていると、その心が表情に出てしまいます。
眉間にはシワが寄って、険しい表情になっていることでしょう。
そんな様子と心の内は、子どもにも伝わります。
どんなふうに伝わるかというと、
「あなたはできない人」
「あなたはノロマ」
「ひとりで着替えられない人」
といったふうに。
そうすると子どもは、無意識のうちに
「あぁ自分は一人で着替えられない人間なんだ」
「自分はノロマな人間なんだ」
という意識が生まれ、実際にそのイメージ通りになってしまいます。
ではどうすればいいのか?
「こういう声かけをしたらいいですよ」
「こんなふうに対応したらいいですよ」
といった、いわゆるノウハウではないのです。
言葉かけややり方ではなく、自分の心(マインドとイメージ)を変えることが大事なのです。
子どもがグズグズして着替えないときに、
「この子は、今はできていないけれど、本当はできる子」
そんなふうにお母さんが思っていれば、その思いが子どもに伝わります。
それを子どもが受け取ったときに、無意識のうちに「自分はできる子」というイメージを持ちます。
そうすると、その通りになっていくのです。
子育てをする中で大切なのはノウハウではありません。
「頭ではわかっているけどできない」ことのほとんどは、ノウハウではなく、親の心(マインドとイメージ)を変えることで改善できるのです。
お母さんがお子さんに対してどんなイメージを持っているかが大切です。
●形のない「心」ではなく、形のある「言葉」を変える。〜魔法の言葉「たまたま」を使ってみましょう〜●
では、どうやったらマインドやイメージを変えることができるのか?
ということですが、「心を変えよう!」といくら思っても、変えることはできません。
何故かというと、心には形がないからです。
形がないものは、当然ですがその形を変えることはできません。
ですので、まずは形があるものを変えていきましょう。
形があるものとは「言葉」です。
言葉というのは必ず、心で思っていることが言葉として出てきます。
「ウチの子は○○ができない」
「ウチの子はグズグズする」
とお母さんがイメージしていると、こんな言葉かけになります。
「〇〇しなさい!」
「早くしなさい!」
そうすると子どもも自分のことを
「〇〇ができない人間」
「ノロマな人間」
と思うようになります。
これがセルフイメージです。
そこで、「いつもあなたは」を「今日はたまたま」という魔法の言葉に変えてみましょう!
もしお母さんが、
「今はたまたまできないけれど、ウチの子は〇〇できる子」
「今はたまたまできないけれど、ウチの子はひとりでできる子」
というイメージを持っていれば、言葉かけは自然と変わります。
「今日はたまたま〇〇ができなかったのね。でも明日はできるよ」
こうお母さんから聞いた子どもは、「自分は〇〇ができる人間」と思います。
そうすると翌日にはきっとできています。
翌日もできていなかったらどうする?
その時には、
「今日はたまたま〇〇ができなかったのね。でも明日はできるよ」とイメージするだけです。
我が家の次男は、小学校の6年間、
「今日はたまたま宿題ができなかったのね。でも明日はできるよ」
と私に言われ続けました(笑)
こんなふうに、言葉(形)を変えることで、逆に心が変わっていきます。
最初は慣れなくても、毎日毎日使うことで、だんだん自然に使えるようになっていきます。
そして、自然に使えるようになった頃には心が変わっていることでしょう。
表面的には同じように思えるかもしれないけれど違うのです。
「言葉だけ変えればいい」と思うのと「心を変えるために言葉を変えている」と意識するのとでは、大きな違いがあります。
お子さんの行動で変えてほしいことがあるなら、まず言葉を変えましょう。
そして、この魔法の言葉はお母さん自身に対しても有効です!
お子さんを怒ってしまったときは、「今日はたまたま怒ってしまっただけ」。
疲れて家事が思うように進まなかったときは、「今日はたまたま家事ができなかっただけ」。
自分に対してもどんどん使っていくことで、自身のセルフイメージも変わっていきます。
●子育てはスポーツと同じ!繰り返し練習することが大事●
そうは言っても、「言葉を変える」ことは、なかなか難しいものです。
普段から「いつもあなたは」と言ってしまっている言葉を「たまたま」と言い換えることも、自然と習慣にできるようになるまでには時間がかかるでしょう。
ではどうしたらいいか?
「トライアンドエラー」で、練習あるのみ!なのです。
私は、子育てはスポーツと同じだと思っています。
スポーツ(ここでは野球にします)を思い浮かべてください。
「ボクは甲子園へ行く!」
と言っているだけでは行けません(笑)
野球の本を買って読んでいるだけでも行けません。
まずは自分で練習を積み重ねなければ上手にはなれません。
素振りやキャッチボール、ランニングなどです。
「野球が上手になる!」という信念を持って練習し続けることが大事です。
どんな練習をどれくらいするのかは、プロのコーチに決めてもらうのがいいでしょう。
自己流ですると、やりすぎて肩をこわしたり、フォームが間違ったままだったりします。
すぐにはうまくできなくても、コーチの指導を受けて練習を積み重ね、毎日素振りをすることでフォームもだんだん良くなっていき、その成果としてホームランが打てるようになるのです。
子育ても同じです。
1.理論を学ぶ
2.練習する
この2つが肝心です。
理論は、育児書やこちらのメルマガで学べます。
練習は、まずは「たまたま」を使ってみましょう。
これまでの言葉かけが染みついていて、最初はうまくできないことと思います。
でも、それは素振りと一緒です。
毎日素振りを繰り返して、積み重ねていくことが上達への近道です。
まずは理論から学んでいきましょう。
こちらのメルマガは、毎日午後3時に配信しています。
素振りや練習用のツールについても、こちらのメルマガ内でご紹介しています。